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土用の丑の日!謎多き鰻の生態に迫る

7月20日は土用の丑の日。そもそも日本人は、太古の昔から鰻を食していたのをご存じだろうか?実は縄文時代の貝塚などから、鰻の骨が出土しているのだ。文献に初めて登場するのは713年の『風土記』。そして『万葉集』(759年)では大伴家持が「石麻呂に 我もの申す夏痩せに 良しといふものぞ 鰻捕り喫(め)せ」と詠んでいる。
日本人にとても馴染み深い鰻だが、近年では漁獲高が激減しているのが不安視されている。1960年代には3000トン前後の漁獲高を誇っていたが、2011年には229トン、2015年には70トンにまで減少した。「養殖すればいいのでは?」という声も聞こえてきそうだが、ギリシャ時代にはアリストテレスが興味深く観察したものの、結局、鰻の繁殖方法を突き止めることはできなかった。結果、その大著『動物誌』のなかで「鰻は泥のなかから自然発生する」と記している。それほど鰻は謎多き生き物なのである。
わずか60gの脂肪で、なんと6000kmもの距離を泳いでしまう鰻。まさに神秘の生き物といえるが、その最大の謎は「どこで産卵しているか」であった。そしてついに日本の研究チームが、2009年にその場所を突き止めた。日本から2000km以上離れた、太平洋のマリアナ海溝である。
土用の丑の日!謎多き鰻の生態に迫る イメージ
※写真はイメージです
鰻の卵はここで産み落とされ、孵化して透明な仔魚(しぎょ)となる。仔魚は太平洋を回遊しながら「シラスウナギ」と呼ばれる稚魚に成長し、黒潮に乗って北上。東アジア近海までたどり着き、日本であれば宮崎や鹿児島、高知や静岡などの川を遡上する。

シラスウナギが遡上する川では漁が盛んで、たとえば鹿児島であれば毎年12月10日に漁が解禁、3月頃まで行われる。光に集まるシラスウナギの習性を活かし、川面に強い光をあてるのだが、真冬の川に白い光が浮かび上がる光景は、なんとも幻想的だ。
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もう1つ、大きな謎とされていたこと。それはシラスウナギのエサだ。何を食べて成長するのか長年わからなかったが、研究が進むにつれてシラスウナギは海中に浮かぶ動物プランクトンなどの死骸「マリンスノー」を食べていると判明。2010年には水産総合研究センターが人工授精から人工孵化まで一貫して行う「完全養殖」の実験に成功したと発表した。そして川や池で過ごしたシラスウナギは成魚となり、産卵期に入ると再び生まれ故郷に戻っていく。
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じわじわ謎が解明されつつあるものの、「何を頼りに産卵場所へ向かうのか」「なぜマリアナ海溝から東アジアまで泳いでくるのか」「なぜ川を遡上するのか」など、まだまだわからないことは多い。そんな鰻の不思議さに思いを馳せながら、美味しい蒲焼きをいただくというのもまた一興かもしれない。