いすゞエルフ:なるほど!知っておきたい時事ネタ! いすゞエルフ:なるほど!知っておきたい時事ネタ!

スペシャルコンテンツ

お仕事の合間にほっと一息。
ぞくぞくと楽しいコンテンツを
皆さまへお届けいたします!

すべてはクローン ソメイヨシノのはかない真実

ちらほらと咲き始めている桜。ヤマザクラやカワヅザクラなど、300種類以上あるといわれる桜の品種のなかでも、私たちに特になじみ深いのがソメイヨシノだ。その起源は謎が多く、諸説あったが、近年の遺伝子解析による調査の結果、ソメイヨシノはエドヒガンザクラとオオシマザクラの交配によって生まれたということがわかっている。葉が出る前に花が咲きそろう特徴をエドヒガンから、大輪で花付きのよい特徴をオオシマザクラから受け継いでいる。
すべてはクローン ソメイヨシノのはかない真実 イメージ
※写真はイメージです
歴史は比較的新しく、江戸時代後期、園芸の盛んだった染井村(現在の東京都豊島区)の植木屋が、「吉野」の名で売り出したのが最初だとされている。ただ、自然に交配したものを見つけてきたのか、人工交配によって作り出したのかまではわかっていない。その後、奈良の吉野山のヤマザクラと混同しやすいことから、明治33年に染井吉野と改められた。
すべてはクローン ソメイヨシノのはかない真実 イメージ
※写真はイメージです
そんなソメイヨシノ、実はすべて同じ遺伝子を持つ「クローン」であることをご存じだろうか。というのも、この品種ならではの気品を保つため、ほかの品種と交配しないよう、人間が接ぎ木や挿し木をすることで増殖してきたからだ。しかし、そこに生物としての問題が発生してしまった。どのソメイヨシノも同じ遺伝子を持つため、たとえ違う土地に咲く別の個体とであっても受精することはできない。つまり、常に人が増やしていかないと、やがてはこの世から消えてしまうことになる。
またそれぞれの木が違う遺伝子を持っていれば、病害が広がったとしてもそれに耐え得る個体が出てきて、全滅は免れるはずだ。一方、すべてが同じ遺伝子であるソメイヨシノは、病害が発生すれば一気に広がる可能性が高い。しかも、この品種の寿命はわずか60年ほどと短いともいわれている。
すべてはクローン ソメイヨシノのはかない真実 イメージ
※写真はイメージです
にもかかわらず、全国各地にこれだけ広がったということは、大輪の花が一斉に咲きそろうソメイヨシノの美しさと華やかさに、人々が魅了されてきたからだといえるだろう。長く寒い冬が終わり、身も心もうきうきする季節。ソメイヨシノは希望にあふれる春を素敵に彩り、私たちの暮らしに華を添えてきた。その美しさにはすべてがクローンという意外な真実が隠されているわけだが、すべてがクローンであるということは人間がいないと繁殖できないということ。言い換えれば「人間とともに生きる桜」と言うこともできる。
そう考えると、つかの間に咲き誇る姿に、より一層はかなげな愛着がわいてくるのではないだろうか。そういう意識を持つと、今年はひと味違った桜に見え方がするかもしれない。